48歳管理職へ|無症状の高血圧が招く動脈硬化の進行リスク|医療法人昭新会 前田クリニック|知多郡東浦町の内科・消化器内科・眼科

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48歳管理職へ|無症状の高血圧が招く動脈硬化の進行リスク

48歳管理職へ|無症状の高血圧が招く動脈硬化の進行リスク

「体調は変わらないのに、再検査と言われた」その違和感の正体


健診票に並んだ148/94という数字。肩も痛くないし、頭も重くない。それでも「要再検査」の文字が引っかかる——そんな状態で繁忙期を過ごしている方は少なくありません。血圧が高い状態は、痛みを出さずに血管の内側を少しずつ変えていきます。症状の有無と血管の状態は、必ずしも一致しません。 この記事では、血圧が血管壁を傷めていく仕組み、放置した年数とリスクの関係、そして進行度を数値や画像で確かめる検査の考え方を整理します。


この記事の要点まとめ


  • 高血圧は自覚症状が乏しいまま血管へ負担をかけ、動脈硬化が進む要因となります。
  • 血管の状態はエコー等の検査で確認でき、早期把握が生活改善や対応の判断材料になります。
  • 健診で指摘を受けた際は家庭血圧の記録や結果票を持参し、内科への相談が推奨されます。


自覚症状のない高血圧が血管を傷つける仕組み

自覚症状のない高血圧が血管を傷つける仕組み

血圧の高い状態が血管壁にかける負担とは


血圧とは、心臓から送り出された血液が血管の壁を押す力のこと。この力が慢性的に強いままだと、血管のいちばん内側にある薄い層(内膜)が繰り返しこすられ、傷つきやすい状態になります1。


傷ついた部分にはコレステロールなどが入り込み、免疫の細胞が集まって、壁の中に粥状(じゅくじょう)のかたまりができていく。同時に、壁全体が厚く硬くなって弾力を失っていきます。ホースが古くなって硬くこわばるような変化が、内側で静かに進むわけです。動脈硬化は「詰まる」より前に、壁が厚く硬くなる段階から始まっています。


「サイレントキラー」と呼ばれる理由


血管の壁には、痛みを感じる神経がほとんど通っていません。だから内膜が傷んでも、壁が厚くなっても、本人に知らせる信号が出ない。高血圧が長く「サイレントキラー」と呼ばれてきたのは、この構造的な事情によるものです1。


めまいや肩こり、頭の重さを結びつけて考える方もいますが、こうした症状は血圧の数値と必ずしも対応しません。逆に言えば、体調に何も変化がないことは、血管が無事だという根拠にはならない。だからこそ、数値と検査という外からの指標に頼る必要があります。


148/94という数値が示す血管への影響段階


診察室で測った血圧は140/90mmHg以上、自宅で測る家庭血圧では135/85mmHg以上が高血圧の目安とされています1。148/94という値は、診察室血圧でこの基準を上回る水準にあたります。


ただし1回の測定で判断はできません。緊張で上がる方もいるため、複数回・複数日の記録が前提になります。一方で、頸動脈の壁の厚みや動脈硬化の広がりは年齢とともに増えることが世界的な調査でも示されており、40代後半という年齢層でも一定の割合で変化が見られると報告されています3。40代で基準を超える値が出た場合、「まだ若いから」と切り離して考えないほうが現実的です。


放置した年数と動脈硬化の進行度・将来のリスク


年単位で蓄積する血管ダメージの目安


血管の変化は、数日や数週間で起こるものではありません。高い圧が数年から十数年かけて壁を押し続けることで、少しずつ厚みが増し、弾力が落ちていきます。裏を返せば、1年単位で見ると「何も起きていない」ように見えるのが、この状態のやっかいな点です。


頸動脈の壁の厚みやプラークの有無を人口規模で調べた研究では、こうした変化を持つ人の割合が年齢層の上昇とともに明確に増えることが示されています3。40代で基準を超えた血圧を抱えたまま50代、60代を迎えるかどうかで、その時点の血管が置かれた条件は変わってきます。健診の数値を毎年並べて見返すと、自分がどの方向に進んでいるかが見えやすくなります。


脳卒中・心筋梗塞につながる進行の流れ


壁の中にできたかたまりが大きくなると血液の通り道が狭くなり、表面が破れると、そこに血のかたまり(血栓)ができます。これが脳の血管で起これば脳梗塞、心臓の血管なら心筋梗塞。血圧の高さが引き金となって細い血管が破れれば脳出血につながります1。狭心症や心不全、心肥大といった心臓側の変化も、同じ流れの上にあります。


前触れなく倒れるように見えるのは、進行の過程に症状が出ないため。実際、一度脳梗塞を起こした方のその後を集めた系統的レビューでは、再発率に幅はあるものの決して低くない水準が報告され、血圧などの危険因子の管理が繰り返し課題として挙げられています2。ご家族に脳卒中の経験がある方が「自分も同じ道をたどるのでは」と感じるのは、根拠のない心配ではありません。


慢性腎臓病や眼底など血管以外への影響


影響を受けるのは太い血管だけではありません。腎臓は細い血管の集まりで血液をろ過している臓器なので、圧の負担が続くとろ過機能が落ち、慢性腎臓病(CKD)へ進むことがあります1。腎機能が落ちると血圧がさらに上がりやすくなるという、行き来のある関係も知られています。


目の奥(眼底)の血管も同様で、細い血管の変化が眼底検査で確認できる場合があります。大動脈が膨らむ大動脈瘤や、壁が裂ける大動脈解離も、血圧が長く高い状態と関連が指摘されている状態です。血圧の管理を「心臓と脳のため」だけに限らず考える理由がここにあります。


動脈硬化の進み方は検査で確認できる・よくある誤解

動脈硬化の進み方は検査で確認できる・よくある誤解

頸動脈エコーやABI・CAVI検査でわかること


血管の状態は、感覚ではなく検査で確かめられます。首の血管に超音波をあてる頸動脈エコーは、壁の厚み(内膜中膜の厚さ)やかたまりの有無を画像で見る検査で、痛みがなく被ばくもありません。世界規模の疫学研究でも、頸動脈の評価は動脈硬化の広がりを把握する指標として用いられています3。


ABI検査は腕と足の血圧を比べて足の血管の詰まり具合を見る方法、CAVI検査は血管の硬さを数値化する方法です。いずれも横になって数分で終わる範囲の検査で、自覚症状がない段階の変化を捉える手がかりになります。


血管年齢と実年齢の差から見るリスクの捉え方


血管の硬さを年齢に換算して示す「血管年齢」は、数値を直感的に受け取りやすくする表現です。実年齢より高く出た場合、同年代の平均と比べて硬さが進んでいる可能性を示す目安になります。


ただしこれは一つの指標にすぎません。血圧、血糖、脂質、喫煙、家族歴などを合わせて総合的に評価するのが実際の診療の進め方です13。血管年齢だけで一喜一憂せず、複数の情報を並べて自分の位置を確かめる材料として扱うのが現実的でしょう。


「一度硬くなった血管は戻らない」という誤解の実際


「もう硬くなったなら手遅れ」と考えて受診をためらう方がいます。実際には、厚くなった壁や出来上がったかたまりが完全に元の状態へ戻ることは期待しにくい一方で、進み方の速さは血圧や脂質、体重、喫煙などの管理によって変わりうると考えられています1。


減塩を軸にした食事の見直し、無理のない運動、必要に応じた薬物療法(降圧剤)は、いずれも将来の負担を抑える方向に働く手段です。改善の程度は個人差があり、結果を保証できるものではありません。それでも「今から始めても遅い」という前提は、事実と少しずれています。


健診で要精検通知を受けた際の診療科の目安


血圧の再検査であれば、まずは内科(一般内科)が相談先の目安になります。血圧の測り方の確認、血液検査や心電図、必要に応じた画像検査まで、初期の評価はここで進められることが多いもの。心臓の症状が強い場合や精密な評価が必要と判断された場合は、循環器を専門とする医療機関への紹介という流れになります。


なお、動脈硬化の評価目的で行う検査のうち、公的医療保険の対象外となるもの(人間ドックの一部項目など)は自由診療にあたります。公開されている料金例から一般に言える目安としては、内訳ごとに頸動脈エコーが1回あたり5,000〜1万円程度、ABIやCAVIなど血管の硬さを調べる検査が1回あたり3,000〜8,000円程度、これらを組み合わせた動脈硬化関連のオプション検査で1回あたり1万〜3万円程度とされています。回数と期間の目安は、はじめに1回受けて状態を確認し、その後は6〜12ヵ月ごとに1回、数年単位で繰り返して変化を追う形が一般的です(合計で年1〜2回程度)。これは一般的な相場であり当院の費用ではありません。実際の費用は医療機関によって異なり、当院の費用は診察のうえでご案内します。


これらの検査で起こりうる主なリスク・副作用もご確認ください。 頸動脈エコーでは、検査中から検査後にかけて、首に探触子(プローブ)をあてる圧迫による痛みや不快感、超音波用ゼリーによる皮膚のかゆみ、発赤、かぶれが生じることがあります。まれに、首の血管(頸動脈洞)への圧迫がきっかけで、めまい、脈がゆっくりになる、血圧が下がる、気分が悪くなるといった症状が起こることがあります。ABIやCAVIでは、腕や足を帯(カフ)で締めつけるため、締めつけによる痛みやしびれ、皮膚の発赤、内出血(皮下出血)が出ることがあります。まれに、血液をさらさらにする薬を飲んでいる方では内出血が広がりやすい、皮膚の弱い方では表皮がすれるといった合併症が起こることがあります。また、検査には結果の解釈に幅がある点や、追加検査が必要になる場合があるといった限界もあります。


忙しい管理職が通いやすい前田クリニックの検査体制


知多郡・東浦町から通いやすい診療の時間帯


繁忙期に受診を後ろへずらしてしまう理由の多くは、時間が読めないことにあります。当院は内科・消化器内科の診療を行っており、勤務の前後に立ち寄りやすい時間帯を設けています。診療時間の詳細は公式サイトの案内でご確認ください。


敷地内には26台分の駐車場を備え、バリアフリー設計としています。車での通院がしやすい環境は、通院を続けていくうえで参考になる要素です。


超音波検査など保有設備でわかる内容


当院の特徴として、X線レントゲン透視装置や経鼻内視鏡、超音波検査(エコー)装置など診断に必要な設備を備え、身体への負担を抑えながら状態を確認することを重視しています。血圧が指摘された方の評価では、超音波検査や多機能心電計、血液検査、グリコヘモグロビン分析装置による糖代謝の確認などを組み合わせ、血管に負担をかけている要素を一つずつ整理していきます。


検査の結果は「良い・悪い」の二択ではなく、今どのあたりにいるかという位置情報。数値が見えると、生活の中で何を優先すべきかが決めやすくなります。


初診時に伝えておきたい健診結果と家族の病歴


受診の際は、職域健診の結果票をそのままお持ちください。血圧以外の項目(脂質、血糖、腎機能、尿検査)も含めて並べることで、リスクの見立てが具体的になります。過去数年分があると変化の方向も追えます。


もう一つ大切なのが家族の病歴です。親や兄弟に脳卒中、心筋梗塞、高血圧、腎臓の病気があるかどうかは、評価の重みを変える情報になります。ご家族が倒れた経験をお持ちの方は、その記憶が受診の動機になっていることも含めて話してくださって構いません。可能であれば、家庭で朝晩に測った血圧の記録も添えていただけると助かります。


知多郡で早期受診が将来の血管への負担軽減につながる理由


自覚症状がない時期は、選べる手段がいちばん多い段階でもあります。食事や運動の調整から始める判断も、薬を併用する判断も、この時点なら落ち着いて検討できる。院長は日本肝臓学会認定の肝臓専門医として内科領域の診療にあたり、症状だけでなく仕事の状況や生活背景にも目を向け、無理のない方針をご提案することを大切にしています。日本医師会認定産業医としての視点から、勤務環境を踏まえた相談にも応じています。


看護師や管理栄養士を含む多職種で関わる体制も整えており、減塩の工夫といった日常の相談もしやすいはずです。健診の紙をしまい込む前に、一度数値を一緒に見る時間を取ることが、次の10年の判断材料になります。


よくある質問


Q. 自覚症状がまったくないのですが、それでも再検査を受ける意味はありますか。


A. 血管の壁には痛みを感じる神経がほとんどないため、変化が進んでも症状として現れにくい特徴があります。症状がない段階の数値こそ判断材料になりますので、健診で指摘があった場合はご相談ください。


Q. 降圧薬は一度飲み始めると、ずっと続けることになりますか。


A. 一律に決まるものではありません。生活習慣の見直しや体重の変化によって、量や種類の調整を検討する場合もあります。自己判断での中断は血圧の急な変動につながることがあるため、必ず医師と相談しながら進めてください。


Q. 家庭で測る血圧と、健診や診察室で測る血圧はどちらを信じればよいですか。


A. 両方が判断材料になります。診察室では緊張で高く出ることがあるため、家庭血圧の記録を併せて見ると実際の状態に近づきます。朝と晩、同じ条件で測った記録を数日分持参していただくと評価しやすくなります。


Q. コーヒーは血圧に影響しますか。


A. 飲んだ直後に一時的な上昇が見られることがありますが、習慣的な摂取と血圧の関係については見解が一定していません。極端な量を避け、就寝前の摂取や睡眠への影響にも目を向けるとよいでしょう。


Q. すぐに受診したほうがよい状態の目安はありますか。


A. 強い頭痛、胸の痛みや圧迫感、片側の手足の力が入らない、言葉が出にくい、視界の異常などがある場合は、様子を見ずに医療機関へご連絡ください。血圧が著しく高い値を示している場合も早めの相談をおすすめします。


参考文献


1. 厚生労働省「健康づくりサポートネット(疾病・健康に関する情報)」 https://kennet.mhlw.go.jp/information/

2. Kolmos M, Christoffersen L, Kruuse C. Recurrent Ischemic Stroke – A Systematic Review and Meta-Analysis. Journal of Stroke and Cerebrovascular Diseases (2021). PMID: 34153594 / DOI: 10.1016/j.jstrokecerebrovasdis.2021.105935

3. Song P, Fang Z, Wang H et al. Global and regional prevalence, burden, and risk factors for carotid atherosclerosis: a systematic review, meta-analysis, and modelling study. The Lancet Global Health (2020). PMID: 32353319 / DOI: 10.1016/S2214-109X(20)30117-0


前田 吉昭

医師


前田クリニック

院長

前田 吉昭

▶ 監修者プロフィール

経歴
日本大学 医学部医学科 卒業
常滑市民病院(現:知多半島りんくう病院) 内科
名古屋第一赤十字病院(現:日本赤十字社愛知医療センター名古屋第一病院) 内科
名古屋大学医学部付属病院 第一内科第8研究室
トヨタ記念病院 消化器内科
前田クリニック 開業
資格・所属学会
日本内科学会認定医
日本肝臓学会認定 肝臓専門医
日本医師会認定産業医